いきてみた

「来年は無理でしょう。」との余命宣告を受けてから、2年が経ちました。がんと付き合いながらのゆるい日常を描いています。

模索期の迷走

病院に行くことをやめてから、仕事に家庭にと、変わらぬ忙しい日々を過ごしていました。


…表面的には。


「プライベートスイッチ」

https://ikitemita.muragon.com/entry/6.html#


の記事で書きましたが、仕事となると個の自分は表面に出てこないので、仕事中は自分でもがんのことはほぼ忘れていました。


仕事をしている方が精神的に楽だったのです。


きついのは夕方以降。


1人になると、ついつい携帯でがんについて検索したり、Amazonでがん関係の本を注文したり…。


不安感から、何時間も携帯を見続けていました。


携帯を置くことが出来たのは、息子のおかげです。


学校から帰って来た息子が一言。


「ひどい顔だよ。疲れるから携帯見るのもうやめなよ。」


がんのことはまだ話してないのに、よっぽど暗く疲れたひどい顔だったのでしょう。


息子の言葉を聞いて、自分の口角が思いっきり下がっていたことに気づきました。


「お茶しよっか。」


携帯を置き、息子と一緒に紅茶とウエハースのお菓子でお茶の時間。


ホーッと、一気に肩の力が抜けました。


のどからお腹に向かって下りていくあたたかい紅茶。


ほんの20分ほどのティータイムで、知らないうちにバキバキに凝り固まっていた心と体が、すっかり溶けてゆるんだのです。