いきてみた

「来年は無理でしょう。」との余命宣告を受けてから、2年が経ちました。がんと付き合いながらのゆるい日常を描いています。

プライベートスイッチ

朝の電話で自分ががんだとわかったものの、まずは目前の仕事を成功させることに意識を向けたいので一度プライベートスイッチをオフに。


私は、仕事になると人格が変わるようで、本来の自分は悩みやすく人見知りで、痛みに弱く、怠け者なのに、仕事になると、誰とでもコミニケーションが取れ、痛みに強く、マメになります。


多かれ少なかれ、仕事をしている人はそういうところがあるのでは?と思いますが。


本来の私を置いといて、仕事モードに集中したい時にイメージの中で意図的に切るスイッチが、プライベートスイッチ。


個の自分を意識の奥で眠らせ、公の自分になります。


がんだと知ったこの日も、電話を切ってすぐにシャワーを浴び、プライベートスイッチをオフに。


満面の笑みでたくさんの人の前で話し、無事に仕事を終えました。


診察時間ギリギリに、滑り込みセーフで婦人科へ。


予想通りのがん宣告。


予想していたからか、冷静に話を聞き、大学病院への紹介状を書いてもらいました。


今考えると、仕事帰りでまだ個を封印していたから、感情が出てこなかったのかも。



すごく便利だと思っていたプライベートスイッチが、ここまでがんを育てたひとつの要因だった。


そう気づくのは、ずっと後のことです。