朝の電話
その日は大切な仕事があり、いつもより早く出る必要があったので、起きるのも早かった。
「リーン リーン」
電話が鳴る。
この時間に?
見知らぬ番号に、こちらからは名乗らず用心しながら出てみると、婦人科の病院の婦長さんからだった。
「先日の結果が出たのですぐに病院に来てください。今日何時に来られますか?」
「今日は仕事なので…。明日は病院お休みですよね?明後日なら行けると思います。」
反射的に質問に答えると、少しの間のあと
「…通常、このような電話をかけることはありません。」
という婦長さんの暗い声。
…ですよね。
1週間くらい後に聞きに来てくださいと言われてたのに、遥かに早い日程で朝から婦長さん直々に電話って。
そっか…。
私がんなんだなあ。
自分ががんだと知った瞬間でした。
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