いきてみた

「来年は無理でしょう。」との余命宣告を受けてから、2年が経ちました。がんと付き合いながらのゆるい日常を描いています。

朝の電話

その日は大切な仕事があり、いつもより早く出る必要があったので、起きるのも早かった。


「リーン リーン」


電話が鳴る。


この時間に?


見知らぬ番号に、こちらからは名乗らず用心しながら出てみると、婦人科の病院の婦長さんからだった。


「先日の結果が出たのですぐに病院に来てください。今日何時に来られますか?」


「今日は仕事なので…。明日は病院お休みですよね?明後日なら行けると思います。」


反射的に質問に答えると、少しの間のあと


「…通常、このような電話をかけることはありません。」


という婦長さんの暗い声。


…ですよね。


1週間くらい後に聞きに来てくださいと言われてたのに、遥かに早い日程で朝から婦長さん直々に電話って。



そっか…。

私がんなんだなあ。



自分ががんだと知った瞬間でした。


いざ、婦人科へ

不正出血が続いたある日、「きっと大したことないけど、安心するために行こう。」

と、仕事休みの日にネットで家から1番近い婦人科を調べて行きました。


婦人科を訪れたのは出産以来です。


検査で細胞を取る時の痛さ!

検査で痛いことを想定していなかったので、「イタイッ」と声をあげてしまいました。


「すぐ終わるからね〜。」と、駄々っ子をあやすような口ぶりの若い看護師さん。


…私、40過ぎてるんですが。


病院にいくと、なぜか子どもに言うような口調で年上に話すお医者さんや看護師さんが多い気がするのは気のせい?


見ないふり

不正出血があったのに、病院に行きませんでした。


ずっと続くわけではなかったし、他に不快症状がなかったから。


頻度や量が増えてくると、ネットで検索しはじめました。


子宮膣部びらんという、子宮の入口が荒れることで出血する症状があてはまる。

これは大したことないって書いてあるからきっと大丈夫だろう。


そんな風に、病院に行かなくて済むための、都合のいい解釈ばかりしていました。